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MarkLogicがヘルスケアスターターキット v1.0をリリース
Posted by Damon Feldman on 21 April 2022 04:17 AM

MarkLogicはずっと複雑なデータに取り組んできていますが、新しいフレームワークを提案するのにヘルスケアほど適した業界はないと考えています。MarkLogicの「ヘルスケアスターターキット」(以下「HSK」)は、ヘルスケアデータの統合、クエリ、検証、マスタリング、提供に関して、すぐにご利用頂けるツールキットです。

スターターキットとは何か?

このツールキットは、業界をリードするMarkLogicのデータ処理プラットフォーム上の追加レイヤーとして構築されており、データベースおよびデータ統合ハブの両方の機能を備えています。この追加レイヤーには、保険金請求、会員、医療機関、およびその他の関連データを取り込み、キュレーションし、提供するために必要な多くの機能が含まれています。これは、モデル、マッピング、クエリ技術、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)変換サービスなどから構成されています。

私たちがHSKを「スターターキット」(あるいは場合によっては「アクセラレータ」)と呼ぶのは、これは単に、あらゆるヘルスケアの現場や医療費負担者(自治体や保険会社)のための汎用製品ではなく、ヘルスケアデータの処理とアクセスにおいて重要なサンプルと主な技術を提供することにより、顧客やパートナーがより速く、簡単に、より高品質に作業できる基盤の提供を目的としているからです。

HSKの機能やコンテンツは、以下のようになります。

  • 特定のデータモデル(保険金請求、病院、会員/患者、場所)。
  • あらゆるデータモデルに対応する一般的なデータモデリング手法(4つのモデル例を提示)。FHIR仕様と密接に関連付けられている。
  • 個人特定回避ルールにより、個人が特定できないようにデータセットを「制約」。
  • 既知のタイプのダーティデータの修正方法を示すデータクレンジングルール。
  • 重複または関連する会員レコードを特定しマージ(統合)するデータマスタリングルール。
  • これらのマッピング、クリーンアップ、変換をすべて実行するデータフロー。
  • PHI(Protected Health Information:保護対象保健情報)データ、従業員データ、機密性の高い診断結果に対するセキュリティポリシー。
  • CPTコードとSNOMEDを利用したセマンティック、オントロジーベースのクエリサービス。
  • 提供されたスターターモデルにデータをカノニカル(標準)化するためのデータマッピング例。
  • FHIRデータサービス、および一般的なリアルタイムデータサービスの例。
  • DevOpsのコードとそれをまとめるための作業(このプロジェクトはスタンドアロンで動作しますが、異なるプロジェクト用に変更・拡張できるように設計されています)。
  • ユニットテストなどのベストプラクティス例。

ヘルスケアデータをユーティリティ(水道/電気/ガス)のように

通常MarkLogicデータハブは、困難で複雑な環境において、クリーンで可用性の高いデータを提供します。複雑なデータ、散在したデータ、サイロ化したデータ、レガシーなデータ(例えるなら未処理の水のようなもの)が入り、よりクリーンで高速、かつ利用価値の高いデータが出てくるのです。出力の形態としては、下流へのリアルタイム/バッチでのエクスポート、テキスト検索、SQL、セマンティック/RDF、APIベースのアクセスなどがあります。どんなデータ形式でも入力でき、どんなアクセス形式でも出力できることを、私たちは目標としています。

ヘルスケアスターターキットは、特にメディケイド関連組織(MES)を念頭に置いていますが、それ以外のほぼすべての組織でも使用できます。実際のところ、これは全くヘルスケアに関係ないデータをMarkLogicデータハブで扱う場合でも、優れたサンプルプロジェクトとして利用できます。

MarkLogic初心者にも最適

ご自身のデータ問題を解決するために、HSKをダウンロードし、調整して使ってみることをお勧めします。ヘルスケア関連組織であれば、提供されている「スターター」モデルがそのまま使えるかもしれません。一方それ以外の業界(製造、金融、メディアなど)では、業界独自の初期モデルを自分で設定することで、プロジェクトを素早く立ち上げられるようになります。つまりこのテクニックはさまざまな場所で利用できるです。

HSKには、拡張や変更を容易にするための「クックブック」も含まれています。これには一般的なタスク(新しいデータソースや要素の追加、出力の変更など)が整理してあり、各タスクの実行方法も具体的に説明されています。

HSKにはすぐに使える機能がすでに備わっています。このため、開発者がゼロから作らなくても、標準仕様を調整するだけで済みます。例えばすぐに使える、サンプルデータ、マッピング、出力が含まれています。利用者はこれらを自分自身のデータ、マッピング、出力と置き換えることができます。

このシステムを使ったり拡張したい場合は、ぜひ私たちにご連絡ください。Githubへチケットを追加していただければ、みなさんが利用する際にサポートさせていただきます。これはコミュニティプロジェクトなので、みなさんが取り組む際に私たちがお手伝いさせていただきますし、このオープンソースプロジェクトへの貢献もお待ちしています。


HSKをMarkLogic Healthcare Starter Kit Githubページからぜひダウンロードしてみてください。


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